こんにちはー!ひつじです!
今日は、楽曲解説です!
バッハ フランス組曲 第五番についておはなしします。
まだまだ勉強中の身ではありますが、よかったら参考にしてください(^_^)
楽譜が手元にあるとなおわかりやすいと思います!↓
フランス組曲について
作曲された時期と名の由来
j.s.バッハがフランス組曲を作曲した時期は、
バッハが最初の奥さんを亡くした後に、
二人目の奥さん、アンナ・マグダレーナと結婚した1721年ごろだと言われています。
また、バッハは6つのフランス組曲を作曲しています!
ちなみに、「フランス組曲」という名前は、
バッハがつけたものではないと言われていて、
誰が名付けたのかははっきりとは分かっていないそうです。
名前の由来は、洗練されたフランス風の舞曲であることと、
すべての曲に表題としてフランス語が使われているところから想像できますよね。
フランス組曲の構成
このフランス組曲は、
「クラヴィーア小曲集」という名前だったそうで、
アンナ・マグダレーナに贈った初めてのクラヴィーア曲集には、
フランス組曲の初めの5曲が入っていたようです。
どの曲も、数曲の舞曲より構成されています。
フランス組曲の全6曲の中で、
前半の3曲が短調、後半の3曲が長調で、
一つひとつの組曲が調的に統一されていることがわかります。
舞曲の骨格となるアルマンド、クーラント、サラバンドと続き、
最後はジグで締めくくっています。
この4つの舞曲は、
17世紀後半に確立された鍵盤組曲の古典的定型となっていて、
バッハは当時の慣習のとおりに作曲したので、
典型的な音型や語法を、曲の冒頭から使っている特徴がみてとれます!
また、バッハの時代の舞曲の配列は、
A(アルマンド)-C(クーラント)-S(サラバンド)-G(ジグ)が定型となっていましたが、
サラバンドとジグの間にさまざまな「当世風の舞曲」を入れられるようになりました!
主に、エール、メヌエット、ガヴォット、ブーレなどがあります!
フランス組曲 第5番 について
私はフランス組曲のなかでも特に、
この第5番はバッハの作品の中で、ひときわすばらしい作品だと思います!
ほぼすべての楽章で、
前半と後半の終わり方の形がそろえられているので、
ひとつひとつの楽章の印象が鮮明になっていて、
楽章と楽章あいだの対比がはっきりと感じられます。
各楽章がほかの作品に比べて長く、
6つの組曲の中で最大の規模となっています。
それなのに、曲の中に無駄がなく、
ながったるく感じさせないのは、さすがバッハ!
また、チェンバロ音楽の中でもいちだんと優雅な作品じゃないですか?
クーラント、ジグを除くと、
模倣対位法の役割が以前に比べて弱くなっているからなのか、
代わって歌うようなメロディックな旋律と、楽器の特徴を生かしたような音楽語法がより前面に出ていますよね。
アルマンド
アルマンドとは「ドイツ風の」という意味で、舞曲の一種です。
起源は16世紀初期のドイツ。
緩やかな2拍子系の舞曲です。
ルネサンス・ダンスとしてのアルマンドは、
17 世紀に入って使われなくなったそうです。
その後、17世紀終りからのアルマンドは、
モデラートくらいの4分の4拍子で、組曲の第1曲や、前奏曲に続く第2曲としてよく演奏されます。
また、この5番のアルマンドは、
声部数は定まらないけれど、動機が自由に展開されていて、声部の数の増減が激しいです。
2声のみになる所も多くありますが、保続音が使われることによって、
実際の声部の数以上の重なりや厚み、遠近感が感じられます。
私たち演奏者が各動機をどのように弾くかによって、
演奏効果に大きな違いがでてきて、弾くたびに新たな発見や驚きがありました!
クーラント
フランス系のクーラント、イタリア系でいうコレンテは、
後期ルネサンスからバロック時代の3拍子の舞曲の一種で、
17 世紀にはフランスで高貴な宮廷舞踊とされていました。
同じ頃、組曲のアルマンドの後に演奏されるようになった速い舞曲です。
ちなみにクーラントという言葉は、
フランス語で「走る」という意味を持つことばから派生したそうです。
フランス系のクーラントでは、
たびたび2分の3拍子と4分の6拍子が交代する優雅な舞曲でしたが、
イタリアのコレンテは、拍子の入れ替えはありません。
ほぼ3分の4拍子で、テンポが速く走り回るような曲です。
どちらとも8分音譜1個のアウフタクトからはじまることが多く、
バロック時代の組曲では一般的に、アルマンドとサラバンドの間によく演奏されます!
またバッハは曲の性格に合わせて表題も、
フランス語とイタリア語を使い分けていると思います!
この第5番では、事実上二声のインヴェンションですが、
後半には、声部の上下を入れ替える転回の対位法があって、
終止フレーズには鏡像的転回が見られます。
サラバンド
サラバンドは17世紀から18世紀にヨーロッパで流行した、緩やかな3拍子の舞曲です。
もともとはかなり速い踊りだったそうですが、
バロック期には情緒的で優美、荘厳な曲に変化していったそうです。
また、2拍目にアクセントがることが多くあり、
組曲ではクーラントの後にサラバンドがおかれていることが多いです。
4小節単位の小楽節2つからなる8小節の大楽節となっていることも特徴です。
また、器楽曲としてのサラパンドは二種類あります!
一つは、軽いサラバンド。
17 世紀のフランスで愛好された、
3 声部のポリフォニックな旋律のもの。
二つは、重いサラバンド。
17 世紀頃から和音を中心とする荘重なリズム・パターンがあり、
第 2 拍目を強調する特徴があります!
これは、ダンスにおいて引きずるようなステップに対応するためだそうです。
サラバンドの特徴あるリズムは、
聞き手にとって、とてもに再認識しやすいですよね。
この第5番では、きわめて表出的で、アリオーソ的なタイプの曲。
3声がずっと保ち続けられますが、
右手の高声部のモノローグに、中声部と左手の声部がゆったりと従い、
装飾音は必要不可欠な構成要素となっています!!
また、2段の鍵盤を使って弾くこともできそうです。
ガヴォット
ガヴォットは、
フランスの地方のフォークダンスと、それに由来する古典舞曲の名称です!
「ガヴォット」の名前は、踊りの発祥したドーフィネ旧地域圏の、
ペイ・ド・ギャップ地方「ガヴォ」に由来しています。
上流階級で流行した明るく快活な曲で気品も感じられます。
バロック時代のガヴォットは、典型的な二部形式をとっており、モデラートくらいのテンポの舞曲で、
4分の4拍子あるいは2分の2拍子で作曲されています!
ガヴォット特有のリズムの特色は、小説の半ばのアウフタクトに始まるところ!
古典組曲においてガヴォットは、
パスピエ、ブーレ、メヌエット、リゴドンなどの任意楽章とともに、
サラバンドとジグの間に演奏されることが多いです。
また、この第5番の組曲のように強いアクセントを持つリズムは稀です。
このガヴォットは、
小さな子供の発表会でも弾かれることが多くあるので、みなさんもご存知の方が多いのではないですか?
上記のとおり、一泊目の弾き方がとても大事ですね。
ブーレ
ブーレは、オーヴェルニュとピスカヤに共通する、
17世紀ごろフランスで生まれた舞曲です。
アウフタクトで始まる速いテンポの2拍子の舞曲で、
わかりやすく、はっきりとしたリズムを持ち、明るく軽やかな曲です!
また、組曲の中の舞曲だけでなく、
独立した小品の形式としても利用されることがあります。
この第5番のブーレでは、このような舞曲によくある、
4分音符の生き生きとした躍動感があまりなく、アルマンドを単純化ような響きに感じられます。
アリオーソ風の旋律が、
一見アルベルティ・バスのような旋律で伴奏されていますが、
アルベルティ・バスというよりは、いくつかのアリアにみられる快活なチェロの奏法に近く感じられます!
ルール
ルールはフランスのバロックダンスの1形式です。
ノルマンディーで生まれたものらしく、
ミュゼットの一種である同名の楽器からその名がついたと言われています。
ルールという言葉には「ゆっくりと荘厳さを保って」という意味がありますが、
「ゆっくりと」=「ひきずるように」という意味ではありません。
また、ルールとは「ルーラー」=「滑走する」という言葉からきています。
ルールのテンポは、スロー、あるいはモデラートで、拍子は8分の6、4分の3、4分6の3種類です。
1拍めにアクセントがあり、伝統的なルールでは、先行する弱拍でそれはより強くなります。
舞曲ルールはもともと、劇場用の技巧的な舞踊で、
ゆったりとしたテンポながら、大回転や複雑なステップを含んでいました。
器楽曲でもその特徴を引き継ぎ、
シンコペーション、ヘミオラ、8分の4分音符の弱起パターンなどを使うようになったそうです。
この第5番においては、付点音符はしっかりと音をのばして、
掛留は表情たっぷりにアクセントをつけるとよきです!
時々現れる16分音符の装飾は、後で加えられたものだそうですよ。
これらの装飾は、イタリアのアダージョ楽章のような、
ヴィルトゥオーゾ風の旋律的装飾と全く同じではないですが、
基本の拍を遅延化させないように、滑らかに、流れるように演奏するのがよいそうです!
ジグ
ジグ とは、16世紀イギリスで流行した、8分の6拍子または8分の9拍子のような、
複合拍子で書かれたテンポの速い舞曲のことで、イギリスやアイルランドの民俗的な踊りの形式の一つです!
組曲の終楽章の定番曲でもありますね!
ジグは、ダンスの所作やステップから影響を受けています。
ただしバッハの時代には、
実際に踊られることはほとんど無くなっていた為、曲の性格や構成を規定する用語のように使われていました。
ジーグとも呼ばれますが、
これはバロック時代にヨーロッパ各地ではやったフランス語風のつづりに影響されています!
また、8分の6拍子のものを「ダブル・ジグ」、
8分の9拍子のものを「スリップ・ジグ」と呼び、
8分の12拍子のものは、「シングル・ジグ」または「スライド」と呼びます。
ルネサンス期のイギリスでは、
4拍子のものもあったり、たくさんバリエーションがあったそうですが、
バロック期には、フランス式のジーグとイタリア式のジグに分かれていきました。
フランス式はフーガのように一戸部のみで始まり、
後半を冒頭旋律の反行形で始めることがよくあります。
速いテンポで付点のリズムが多く、複合拍子であることが多いです。
また、付点のリズムや対位法的な展開をすることが特徴的ですが、
イタリア式はよりテンポが速く8分の6拍子が主流で、8分音符1個のアウフタクトがあります。
後半が主題の転回型で始まることも多いですよね。
また、ヴァイオリン音楽の影響を受けたためか、非模倣型で複合拍子の速いテンポであることも特徴的。
この第5番のジグは、休むことなく動き続ける音楽の中で、
独特のリズムを持つ模倣主題は決して見失われることがありません!
3声フーガとしては比較的わかりやすい作りで、
曲中ほとんど2声のまま進行しますが、最後の方で3声に戻り、
最後の和音は5つの音が同時になります!
最大規模で優雅なのフランス組曲の終わりにふさわしい、壮麗で潔くかっこいい終止です!!
最後に
楽曲解説ってなると、
説明口調になって、長くなりますね(・・;)
むずかしいです。
参考文献
- バッハの平均律クラヴィーア曲集 単行本 – 1998/12/10
ヘルマン ケラー (著), 竹内 孝治 (翻訳), 殿垣内 知子 (翻訳) - バッハの鍵盤音楽
デイヴィッド・シューレンバーグ 著,佐藤望, 木村佐千子 訳
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